大家さんを身近に感じよう「大家さんて何してるの??」

冬から春にかけて、大学入試で合格したお子さんのお家を探している親御さんが多いですよね。

学生さんが借りる家は、大家さんが管理しているイメージをお持ちの方が多いと思います。

ところが最近は、管理会社っていうプロの不動産屋さんが管理することがほとんどなのです。

つまり、物件を所有しているのが大家さんで、その大家さんが委託しているのが不動産会社になるのです。

昔(今でも田舎はあります)は自主管理と言って、例えば、大家さんが101とか201に住んでいて、入退去があるときに鍵を受け渡す、家賃を一人一人その大家さんに届けるなど、大家さんが集金して回ることがあったようですが、今はそういうことがほとんどなくなっています。

大家さんは別のところに住んでいて、東急リバブルさんやアパマンショップさん等の管理会社さんが入退去の手続やクレームの対応をしているのです。

また、お掃除等も管理会社が代行しています。

なので、大家さんのお仕事は昔に比べたら、とても楽になっています。

手数料はかかることもありますが、大家さんは所有しているだけでOKなのです。

例えば、名古屋に住んでいるオーナーさんが東京の物件を買う場合、1回も現地を見に行ったことがないというケースも多くあります。

以前は、大家さんと入居者さん(店子(たなこ)さんって言ったりしますけど)が、距離が近くてトラブルがあったということもありました。

江戸時代にできた「大家さんと言えば親も同然、店子と言えば子も同然」という慣用句がありますが、現代、私たちの生活でお隣さんとしゃべることが減っているのと同じように、大家さんと入居者はほとんど関わらない、そんな時代になっているのです。

人口減少、少子高齢化でも大家業・不動産投資は成り立つの?

最近は少子化の影響で若い世代も減って、お家を借りる人っていうのも減少傾向にあり、空き家問題が出てきています。

投資家さんから「大家さんって成り立つものなのですか?」とよく質問されます。

結論、「大丈夫!!」です。

現在、空き家率が全国的には14%ぐらいで、特に秋田や和歌山、徳島などの地方では、人口がどんどん減ってきています。

そのような中で「大丈夫!!」と言える理由は、「行列ができるお店はいつでも人気」と一緒だと思います。

つまり、「魅力的な物件はいつでも人気」ということです。

エリアで言えば、例えば、新宿駅徒歩5分圏内マンションって絶対空かないですよね。

だから人口が減少するというのは全国一斉の15%ではなくて、「山奥や崖に建っているお家など、もともと本来人が住むべきじゃないような場所に、人口増加にあわせて無理矢理建ててしまっている、そのような立地のお家に対するニーズがなくなっていく」これが大きなトレンドだと思います。

つまり、全国的に見た空き家率は14%・15%とはいえ、不動産投資のエリアを誤らなければ、そこまで緊迫した状況ではないということです。

特に、東京は流出数よりも流入数の方が多いので、銀行は一都三県には大変積極的に融資しています。

神奈川・埼玉・千葉の物件は、銀行としては融資をしたくてたまらないという状況です(笑)。

具体的には、滋賀銀行さんとか香川銀行さんのような地方銀行が一都三県の物件に貸しているのです。

このため、大家さんというのは可能性がまだまだあるのです。

例えば人口が明日1割減ったとしても、行列のできるラーメン店は常に行列がありますし、東京大学の定員は絶対割れない、むしろ入るのが大変です。

「東京23区」や先ほど挙げた「魅力的な物件」、とりわけ「各駅の10分圏内」というのは、入居が絶えるものではないと思っています。

お客様=住んでくださる方のために大家さんができる努力

とはいえ、昔に比べたら人口は減っているので、大家さんも何か工夫は必要になってきます。

エリアが良いところは何もしなくても問題ないですが、駅徒歩15分以上や人気のない駅は、いろいろ工夫の余地はあると思っています。

基本的なことで言えば、例えば、「外壁を塗り直す・階段を塗装して見栄えを良くする」、また「ペット可物件」にするなどが挙げられます。

「ペット可」だけじゃなくて、「ペットが住みやすいようにリフォームする」というのもあります。

今、ペットも住める物件は大人気なのです。

人口は減っていますが、世帯数は減っていなくて、単身の人が増えています。

※画像は小田原市ホームページよりお借りしました。

単身だと気持ち寂しい、だからペットを買おう、このような気持ちって結構あるので、ペット可のニーズはすごくあると思います。

ただし、ペットと一緒に住めるとなれば、お家の中がバリバリバリと傷ついてしまう、このようなリスクはあります。

この場合、大家さんが少し工夫をしないといけないところなのです。

例えば、猫ちゃんが壁紙を傷つけました。

その交換費用って実は大したことなくて、2万~4万円、そのぐらいの世界なのです。

「多少の費用負担を覚悟して、入居者の人が幸せに暮らす・長く暮らしてくれる」、そういう方に向けて努力するのはどうですかというのが私の提案です!

空き家にしておくよりも、よっぽどいいと思いませんか。

若い人こそ大家さんを目指してほしい

実は大家さんの高齢化も進んでいます。

「残り5年10年の命だからもう売ってお金に換えていい暮らしをしよう」「子供たちに贈与しよう」など、適切に次世代への引継ぎが行われたらいいのですが、何十年も古屋を空き部屋放置してしまうケースも多いです。

これからは若い人が、新しい感性やチャレンジ精神を持って、大家として物件を担っていくことが増えていくといいなと思っています。